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心の回診

第五十九回

雨上がりの洗い立ての青い空、全てが丸くおさまりそうな空が広がっている。この空の下で生かされている事に感謝し、手を合わせなくなった。
そう言えば、ゼンマイ仕掛けの機械のように動いている私に、師長が「用があっても会長を捕まえるのが大変です」と言っていたっけ。もう少し余裕のある生活をしなければならないと思った。

日頃、思いつくままに書きとめてある雑記帳をめくっていると、3代将軍家光公の「長寿の秘訣」と言う頃があって、一、心は広く 二、つとめは強く 三、色 は薄く、粗食とおならをよくする。昔は・・・ではなく「これから」に目を向ける、と書いてある。

野口聡一さんだってシャトル「ディスカバリー」に乗って宇宙の彼方に飛んでいく現在(いま)。私達だって2000万円のお金があれば宇宙旅行が出来るこの 新時代にピッタリの健康法を家光公が既に400年前に唱えている事が驚きで、思わず「ヘエーッ!」と感嘆の声を上げてしまった。斯く言う私、「心は広く」 は守られているかも・・・。粗食とおならはどうだろう?昼食が3時、4時になるのは毎度の事、その上甘い物が好き、コレステロールの高い物が好きでは要注 意だ。

「多忙」とか「不規則」「ストレス」を自慢にして何になろう。未だ未だ私にはやりたい事、挑戦したい事がいっぱいある。

今日一日の大切さは、聖書の中にもイエス様の言葉で述べられているではないか。「明日の事まで思い煩うな。その日の苦労はその日だけで十分である(マタイ 6章)。」今日という日をしっかり生きなさい。自分に背負えない苦しみは決して神様は与えないと言う教えだ。

やり直しのきかない一度きりの人生だから、私は瞬間(いま)を頑張って生きて行こう。その一瞬の積み重ねがよい人生だと思う。ネッ!?皆さんもそう思いませんか?

(医療法人中山会新札幌パウロ病院会長)