札幌市厚別区の基幹病院として、内科・消化器内科・循環器内科・リハビリテーション科・歯科・医療療養型のサービスを提供しております。
心の回診の「54回が良かった」と、何人かの方がほめて下さり、感想のお手紙も頂いた。私は超がつく 単細胞人間なので、ほめられると素直に嬉しくて天まで昇り勇気が湧いて来るし、また次号も頑張ろうと力も沸いてくる。平成12年10月13日から書き始め て年に12回、5年と4ヶ月連載させて頂いている事になる。改めて過ぎて行った時の流れを思った。
ほめられると元気が出る私は、人をほめる事も上手な方だと自負している。人間誰だって良い所を持って いる。”駄目人間”とレッテルを貼られても小さくてもキラッ!と光るものがあればよい。子育てにしても、「どうして出来ないの?」と叱るのではなく、「良 く出来たね」ともっともっとほめて上げれば良かったと思う。スタッフを育てる時にも良い所を見つける努力をする。
周りの仲間から「駄目だ」と言われ続け、自信を失い退職寸前だったAに、「貴方の良い所は自分の足りないところを知っている事。直そうとする心があれば大丈夫!貴方は出来ると信じるよ」とほめて以来、今成長し1人前の介護員になろうとしている。
この人間社会には、自然界に同じ物が2つとない様に、人間だって50億人以上もの人間が住んでいて、誰1人同じ人はいない。私に似ている人はいるかも知れないが、私はこの世の中に1人しか存在しないものなのだ。だから「天下一品」と言うのだそうだ。
人を落としてしまうのも、上に持ち上げるのも紙一重、それは人の一生にも関わる大切な事でもある。
Aが廊下を歩いて来た。…自信がなく伏目がちだった目に力がある。「どう?」なんて聞くまでもない事が分かった。ポン!と肩を叩いたら「ありがとうございます」と去って行った。
陶芸家で人間国宝の加藤唐九郎の言葉で「好きになろう。好きにならなければいい所が見えて来ない。どんなに欠陥だらけでも1ヶ所だけでも良い所があればそれは名器だ。」私は今この言葉が好きだ。