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心の回診

第六十三回

 日曜日の朝、新雪を踏んで真駒内カトリック教会に行った。祭壇には待降節を迎えるための4本のローソクが準備されていて、 この日2本目のローソクに火が灯った。師走の気忙しさの中で、御聖堂の中は別世界のように空気が澄んでいた。
ローソクに1本づつ火を灯しながら幼子イエス様の誕生を待ち、イブの夜は世界中の人が祝うのだ。
いつも丸くて柔らかな心でいたいけど、時々四角い心になってしまう私・・・静寂の中で反省する。

 私は何事も追い込まれないとやらない性分。子供の頃の試験勉強然り、日々の仕事も決してコツコツと頑張るタイプではない。
だから心が丸くなれないのかも知れない。

 そんな私にも心が安らぐホットタイムがある。先日も、スタッフに伴われたグループホーム夏桜の入居者、 加藤さんと中尾さんがクリスマスの招待状を持ってやって来た。「当日は御昼御飯もご一緒に・・・」とのこと。
素直に嬉しくて喜んで御招待をお受けした。消費税が上がるとか、事件がどうしたとか、政治も医療情勢も関係ない。
まして人の悪口など決して言わない会話に、そこには忘れかけていたゆったりとした時間が流れていて、肩の荷が下ろされて楽に なって行くようだった。

 ものは考えようだと私達はよく言う。不幸せと思えば、何もかもが自分はついていない人間に思えるし、自分は幸せだと思えば 全てに感謝したくなる。例え病気になったとしても、ここで発見できて良かったと思う。もうこれしかないではなく、 未だこれだけ残っていると言う考え方が好きだ。

 私の得意のおまじないは「どうにかなる」を「必ず大丈夫!」に変えて行く事。まんまる新聞愛読者の皆さんは、どちらのタイプですか?
この1年、拙い心の回診を読んで頂いて有難うございました。お元気で新しい年をお迎え下さい。感謝。
(医療法人中山会新札幌パウロ病院会長)